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西内 満美子; 大道 博行; 高部 英明*; 松門 宏治*
レーザー研究, 31(11), p.711 - 720, 2003/11
天体物理の分野で見られるような極限状態は、近年における超高強度レーザー研究の発展により、広いパラメータにわたるプラズマが生成可能になり、地上の実験室で広い範囲の天体プラズマが生成可能になった。超高強度レーザーをターゲットに照射した時にできるプラズマは超高密度・超高温度の状態にある。このようなプラズマの内部における物理過程は、宇宙における天体現象を支配している物理過程と同様であることが期待される。これから、超高強度レーザーを用いたプラズマ実験が、宇宙における極限状態:「模擬天体」を提供でき、宇宙物理における弱点を補うことができるものと期待される。具体的には流体力学,原子物理,輻射輸送,相対論的プラズマ,核反応プラズマ,重力相互作用等の課題が、両者のオーバーラップする研究領域となっている。本論文では、これら実験室宇宙物理の観点で位置づけて具体的実験例を紹介している。
河野 康則; 千葉 真一; 井上 昭*
Proceedings of 30th EPS Conference on Controlled Fusion and Plasma Physics (CD-ROM), 4 Pages, 2003/00
JT-60Uにおける電子密度計測のための赤外炭酸ガスレーザ干渉計/偏光計において、化学的気相成長法(CVD)で製作したダイヤモンド板を真空窓として適用することに成功した。従来使用していたジンクセレン窓と比較して、ダイヤモンド窓では、窓部で発生するファラデー回転成分を無視できるほどまで低減できた。結果として、赤外炭酸ガスレーザ偏光計の計測精度の著しい改善を得た。
河野 康則; 千葉 真一; 井上 昭*
Review of Scientific Instruments, 72(1), p.1068 - 1072, 2001/01
被引用回数:35 パーセンタイル:82.21(Instruments & Instrumentation)トーラスプラズマにおける接線ファラデー回転偏光測定に基づく電子密度計測法は、その高い信頼性から長時間運転を行うITERなど将来の核融合装置に適していると考えられている。そこで、JT-60Uでは炭酸ガスレーザを光源とする偏光計の開発を行い、平成9年には本計測法の原理実証に成功している。その後、信号較正精度の向上、真空入射窓でのファラデー回転成分除去のための2波長化、などをすすめてきた。また、長時間連続運転における安定性の実証試験を行い、これまでのところ7時間までの運転データを取得している。講演では、このような最近の進展について報告する。
河野 康則
プラズマ・核融合学会誌, 76(9), p.855 - 859, 2000/09
長時間運転を行うITERなど将来の核融合装置においては、信頼性の高い電子密度計測が必要不可欠である。一方で、偏光法-プラズマ中をトロイダル接線方向に伝搬するレーザ光のファラデー回転角を測定し電子密度を求める方法-は高い信頼性が期待でき、ITERに適する新しい計測法として提案されていた。また、光源レーザとしては、赤外COレーザ(波長10.6ミクロン)が候補に挙げられていた。そこでJT-60Uでは、COレーザ偏光計を新たに開発し、本偏光法の原理実証研究を進めてきた。本稿では、一連の研究成果について解説を行う。
河野 康則; 千葉 真一; 白井 浩; 井上 昭*; 長島 章
Review of Scientific Instruments, 70(2), p.1430 - 1434, 1999/02
被引用回数:11 パーセンタイル:61.16(Instruments & Instrumentation)トカマクプラズマ中をトロイダル接線方向に伝搬するレーザ光のファラデー回転偏光計測に基づく電子密度診断法は、干渉計測におけるようなフリンジジャンプがないこと、信号の時間的発展を追う必要がないことなど、より安定な測定が行える可能性があるため、近年ITERの密度計測に適する手法として注目されている。そこでJT-60Uでは本手法の原理的実証を目指した開発研究を進めているが、最近の計測実験において炭酸ガスレーザ光の接線ファラデー回転角の検出に初めて成功した。実験では、光弾性変調器を用いて赤外偏光計を使用した。これにより、入射レーザー光強度の変動に影響されない偏光計測を実現した。また今回の計測頻度としては、約0.1度が達成されており、ITERに本偏光計を適用した際にも十分なS/Nが得られる見通しを示した。本論文では、これらの実験結果について報告する。
河野 康則; 千葉 真一; 白井 浩; 井上 昭*; 長島 章
Review of Scientific Instruments, 70(1), p.714 - 717, 1999/01
被引用回数:9 パーセンタイル:56.1(Instruments & Instrumentation)大型トカマクにおけるファラデー回転測定のためのデュアルCOレーザ偏光計に関して報告する。この装置は、炭酸ガスレーザの異なる発振波長(10.6m、9.27m)を光源とする同形式の2つの偏光計より構成される。これにより、偏光角測定時の誤差となる真空窓での余分なファラデー回転成分を除去することができる。それぞれの偏光計は安定な測定が行えるよう、2つの光弾性変調器と1つの偏光子、1つの検出器より構成されている。JT-60Uでの初期的な結果として、波長9.27mのレーザ光のファラデー回転測定に成功している。この結果は、ITERに提案されているファラデー回転に基づく密度計測に、本偏差計が適用可能であることを示している。
河野 康則; 長島 章
Review of Scientific Instruments, 68(11), p.4035 - 4037, 1997/11
被引用回数:10 パーセンタイル:62(Instruments & Instrumentation)ITERなど大型トカマクにおける接線ファラデー回転測定のための2波長レーザ光偏光計を提案する。これは接線ファラデー回転測定にもとづく電子密度計測の実現を目的とするものである。この2波長レーザ光偏光計により、プラズマによるもの以外に真空窓で発生する余分なファラデー回転成分を除去できることを示した。また、炭酸ガスレーザの2つの波長、10.6及び9.27mが大型トカマクにおける光源として適していることを示した。さらに、トカマク運転中にレーザ光強度やレーザ光軸が変動する場合でも、信頼性高い偏光測定が行えるよう、光弾性変調器を用いた偏光角検出器の使用を提案した。このような偏光角検出器は、従前の干渉計とも容易に共存可能で、偏光計と干渉計を組み合わせることで高精度の電子密度計測が期待できる。
前野 勝樹; 荻原 徳男; 小川 宏明; 松田 俊明
JAERI-M 94-039, 17 Pages, 1994/03
本書はプラズマ中を通った回転偏光面の位相変化測定から電流分布を求める装置を製作するにあたって、その応答性を良くするために偏光面の回転周波数を高めるための方法について述べたものである。この方法の特長は、半波長板を磁気浮上型スピンドルに取り付けることによって偏光面の回転数を高めたことにある。本偏光計の応答時間は190secである。なお、S/N比から予想される角度分解能は0.1度である。